お茶は中国に由来するものです。紀元前2700年頃には既にお茶の葉を食べていたとも言われており、また漢の時代、紀元前1世紀の医学書「神農本草経」にはお茶にまつわる記述があり、少なくともこの時代には一般に知られていたものであったようです。

日本茶の誕生

正確な年代はわかっていませんが、日本は当時の先進国であった中国に遣隋使、遣唐使、留学僧を送り込んでいたため、彼らによって日本に茶が持ち込まれたのではないか、という説があります。平安初期の「日本後記」には、嵯峨天皇にお茶を煎じた、という記述があり、この時代には日本に伝わっていたことは間違いありません。あの比叡山延暦寺を建てた最澄が、805年に唐から帰国したときに持ち帰ったという説もあります。

一般人への普及

千利休による「わび茶」の世界からもわかるように、お茶を嗜むことは一部の高貴な人たちのものでしかありませんでした。しかし、江戸時代に入りお茶の生産力が高まるに連れ、お茶を飲む習慣も一般化することになります。ただ、それは茶道で使用された抹茶ではなく、より今の煎茶に近いものながら、色は黒っぽいものであったようです。

そして1738年、京都の宇治田原郷の永谷宗円によって「青製煎茶製法」が発明されました。これにより品質が向上、色も緑色になり、現代の日本茶のひな形が完成することとなりました。このお茶が江戸で大流行し、日本茶の一般化が一気に進むことになります。